「ゾット帝国」を徹底解明

syamu game(裕P)さんが執筆した小説「ゾット帝国」を考察しています。

【『これが~ユージの歩く道!』考察】第十回「まとめ① 順文学作品の系譜」

ユージ編は考察している人が少ないためか、読んで下さった方が比較的多いみたいで本当に嬉しいです。ゾット帝国シリーズよりマイナーなユージ編ですが、これを機に人口に膾炙してほしいですね。

※ 今後、『これが~ユージの歩く道!』を「ユージ編」と略すことがあります。ご了承下さい。

まとめ①

ゾット帝国シリーズとの共通項

執筆リセット手法

2009年12月、syamuさんはpiaproにユージ編1話~4話を投稿します。これらはプロローグと題されており、主人公・前川祐二の幼少期について書かれていました。以後、更新はされませんでしたが、プロットから察するに5話以降で本編が始まり、高校生になった前川祐二が描かれる予定であったと考えられます。

さて、約2年半後の2012年6月頃、syamuさんは「小説家になろう」に「シャムたん」という名前で『これが~ユージの歩く道!~幼少期編~』という小説を投稿します。すぐに削除されてしまったらしく内容は不明ですが、タイトルからpiaproに投稿された話と関連性があるのは明らかです。

おそらく、piaproユージ編のプロローグと本編の間の時期を取り扱ったものでしょう。要するに、以前書いていた小説の設定を流用した上で、その小説の過去編を新しい作品として執筆した、というわけです。

ゾット帝国シリーズも最初に第三部が執筆されていましたが、その途中で「100年前のエピソードが書きたくなった」として執筆を中断し、第三部の設定を流用してその過去編である第二部を書き始めます。さらに第二部を早々に放棄すると、その設定を流用し、第二部の過去編である第一部の執筆をはじめます。

執筆放棄→設定を流用→過去編を執筆

このようなsyamuさん特有の執筆リセット手法はゾッ帝以前から存在したのです。

ダブル主人公方式

ユージ編にはいくつか不可解な点があります。

まず、ユージ編のプロットとされているものが2つあることです。1つは「ほーい、ついに来たよ | 初音ミクの発表会」で確認できるプロットで、主人公が風紀委員長のヒロインと toLove り、彼女に振り回される生活を送るというもの、もう1つは「piapro - 作品 - Syamu_game @ ウィキ - アットウィキ」で確認できるプロットで、主人公が不治の病に侵された後輩と仲良くなり、彼女を助けようと奔走するというものです。

後者のプロットでは

主人公の敵は誰か?何か?=悪役:風紀委員長と風紀委員。彼女を助けられない現実

男女の出会い:

A・お互いの恋を実らせるという、主人公とヒロインは共通のピンチに陥り、敵対する異性とやむをえず手を組む事に。
B・主人公が登校中、通学路に熱を出して倒れている、後輩の女生徒に出くわす。主人はこうは彼女のピンチを救う

といった、一見すると、本筋と関係ない設定が混じっていると思われるような記述も散見されます。

次に、作者を投影した男性キャラが2人いるという点です。前川祐二の誕生日である3月4日はsyamuさんの誕生日と一致、沢木拓哉の誕生日である4月3日はsyamuさんの誕生日の月と日を入れ替えたものです。なお、沢木拓哉の家族設定はsyamuさんの家族構成と酷似したものになっています。

このような不可解な状況を説明する一つの仮説として、ユージ編もダブル主人公方式を採っていたのではないか、ということが考えられます。

例えば、ゾッ帝第一部・第二部はカイトとジン、第三部は佐藤光秀と木下信二(=一条仁)というダブル主人公方式を採っています。

前川祐二が1つ目のプロットの主人公、沢木拓哉が2つ目のプロットの主人公(もしくはその逆)と考えると辻褄が合います。

ダブル主人公仮説を裏付ける状況証拠はこれだけではありません。

主要人物の構成

ゾッ帝カイト編における主要人物の構成は、

熱血な男性主人公+男性の親友+女性の親友(ヒロイン)

となっています。具体的には、

カイト編第一部 → カイト+ネロ+ミサ

カイト編第三部 → 佐藤光秀+宗次郎+茜

です。

ゾッ帝ジン編における主要人物の構成は、

父との関係に問題を抱える男性主人公+ヒロイン

となっています。具体的には

ジン編第一部 → ジン+麻里亜(後に死亡)→ルビナ

ジン編第三部 → 木下信二+お菊

です。

さて、ユージ編1話~4話では、以下のような主要人物の構成が示されました。

" 少年 "(前川祐二)+" 男の子 "+" 女の子 "(ヒロイン)

これはカイト編と同じ構成です。なお、プロローグの時点では臆病な少年である前川祐二ですが、設定(高校2年時)では熱血漢ということになっています。

そして、沢木拓哉は

履歴:父親の会社の後継者になる事を嫌う

過去のトラウマ:現実逃避のため問題児になる

 というキャラ設定があり、父親との問題を抱えていることが分かります。これはジン編の主人公と同じです。

このように、主要人物の構成さえもゾッ帝以前から存在したと考えられるのです。

順文学作品の系譜

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前章では、執筆リセット手法、ダブル主人公方式、主要人物の構成の3点をゾット帝国シリーズとの共通項として挙げました。これを仮に「順文学的特徴」と呼称することにします。

ユージ編は初期小説作品と(順文学の最高傑作である)ゾット帝国シリーズの過渡期に位置します。残念ながら、初期作品の詳細が分からないため、順文学的特徴の出現時期を特定することはできません。

しかしながら、最低でも、

『これが~ユージの歩く道!』は『ゾット帝国』シリーズのベースである

ということは言えると思います(本人が意識していたかどうかは別として)。

先ほどの画像を見ていただくと分かりやすいのですが、syamuさんって2009年から3年ごとに小説書いてるんですよね。今年は2018年。もしかしたらどこかで小説を投稿しているのかもしれません…… あ、パソコン使えないんだっけか(苦笑)