「ゾット帝国」を徹底解明

syamu game(裕P)さんが執筆した小説「ゾット帝国」を考察しています。

【ゾッ帝考察58】Syamuさんが「めっちゃ泣ける」と言った「悲しいシーン」とは?

SyamuさんはTwitter

悲しい音楽を聴きながら、悲しいシーンを執筆。めっちゃ泣けるんですけど。それだけ、自分の作品が好きってことね。 Thu Apr 30 12:44:07 +0000 2015

出典:Twitter(@hamakawa20153) - Syamu_game @ ウィキ - アットウィキ

と発言したことがあります。

ゾット帝国に泣けるシーンなんてないだろ!とは思うのですが、とにかくそのシーンを特定してみました。

時間から絞り込む

ツイートは2015年4月30日にされています。つまり、それ以前に投稿された話はこのツイートに該当しません。また、6月以降に投稿された話も可能性が低いと考えられます。この条件にあてはまるのは、カイト編2章2話「第二話:栞と葛城とカイト」だけです。

ちなみに、該当話の考察はこちら↓

【ゾッ帝考察20】カイト編 2章 2話「栞と葛城とカイト」前編

【ゾッ帝考察21】カイト編 2章 2話「栞と葛城とカイト」後編

どこが泣けるシーンなのか

この話の中で主人公カイトが泣いているシーンは1か所だけです。

出典:http://ncode.syosetu.com/n2387co/17/

「栞の知ってる兄ちゃん、カイトが来て死んだ。兄ちゃんを返して」

 栞の言葉は強く、栞は今にも泣きそうな眼をして、オラを見上げている。

 栞の眼に涙が滲んで、手で涙を拭い、洟をすする。

 

 オラは栞の兄を亡くした罪悪感が込み上がり、屈み込んで栞に抱き付いた。

 

 (中略)

 

「栞、すまん。オラにもわからんのじゃ……許してくれ、栞。オラは、栞の兄ちゃんじゃないんじゃ。オラにも、妹がいるけえ。オラの妹、シオンちゅうんじゃ。シオンは生意気での、オラとロクに口も聞かん仲じゃ。オラが近づけば、シオンはオラに暴力を振るうんじゃ、信じられんじゃろ? オラの妹の話をしても面白くなかったの。栞、すまん……栞の兄ちゃんとオラの身体が入れ替わった時、栞の兄ちゃんに会ったんじゃ。栞の兄ちゃんは言っておった、妹の栞を頼むと。栞の兄ちゃんは……天国に逝ったんじゃ。オラが栞の兄ちゃんを殺したんじゃ。栞、オラを好きなだけ恨んでもええ。栞が望むなら、オラは今すぐ出て行くけえ。二度とこの家には戻ってこんけえ」

 オラは栞の背中で馬鹿みたいに嗚咽して、訳がわからずに自分の妹の話をして、栞の頭を一生懸命に撫でる。

 

「兄ちゃん、苦しい」

 栞は声を小さく漏らした。

 

 いつの間にか、オラは栞を抱き締めていたらしい。

 オラは思わず、栞から離れる。

 

「すまん、栞。どこも痛くないか? 気分は悪くないか?」

 オラは栞の両肩に手を置いて、栞の顔を覗き込む。

 

「……栞の兄ちゃん言ってた。兄ちゃんが死んだら、新しい兄ちゃんと仲良くするんだぞって」

 栞は俯いて、悲しそうに言葉を紡ぐ。

 お腹の上で組んだ指を、寂しそうに絡ませている。

 

 オラは栞を抱き締めた。

 

「!? し、栞……すまん。オラはうつけ者じゃ。こんな兄ちゃんでええんか? 栞が怒った時は殴ってもええけえ」

 オラは栞の背中で泣いていた。いつまでも。

はい、これですね。

これで泣けるのか……(呆れ)

おめでたいことだなぁ……

しかもこの後、栞も腹が減ったとかなんとか言い出して見事なサイコパスっぷりを発揮しますからね。普通なら、何話にも渡って乗り越えられない溝を残して、からの、積み重ねた時間が2人を本当の兄弟にした、というのが王道な感動展開だと思うのですが……。

ゾッ帝は、いわば妄想です。その妄想の中で、自分を投影したキャラが家族として受け入れられたから泣く、っていうのはもうね、悲壮感しかないですよ、正直に言って。どうしようもない。

泣けるいきもの図鑑

泣けるいきもの図鑑

 

ちなみに、本編引用部分のうち、中略した部分の方が、むしろSyamu学的には見所ありです。