「ゾット帝国」を徹底解明

syamu game(裕P)さんが執筆した小説「ゾット帝国」を考察しています。

【ゾッ帝考察40】Syamuさんが「坊っちゃん(夏目漱石)」を書いたら(ゾッ帝初心者向け)

昨日、総アクセス回数が3000を突破しました。

皆様、ご覧いただき、本当にありがとうございます。

今後とも、お暇な時でよろしいので、見に来ていただけますと幸いです。

さて、普段はゾット帝国本編の読解をしているわけですが、記念すべき今回は趣向を変えまして、新しいチャレンジをしてみようと思います。

ゾッ帝文法であの名作を書いてみる

以前の記事(【ゾッ帝考察36】名文「大型肉食恐竜型ハンター」を読もう! (ゾッ帝初心者向け))では、ゾッ帝の文章を普通の文章に直す、ということに挑戦しました。ということは、逆に、普通の文章をゾッ帝の文章に直すこともできるはずです。

そこで今回は、明治の文豪、夏目漱石が生み出した名作の一つである、小説『坊っちゃん』の冒頭をゾッ帝文法で書きなおしてみようと思います。

原文のご紹介

出典:夏目漱石 坊っちゃん(青空文庫)

親譲の無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜ぬかした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。小使に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。

冒頭の時点で既に、主人公の理想主義的な青々しさのルーツが軽妙に描かれています。学生の頃は、単に、漱石が自分の経験を前向きな主人公に仮託して書いたものかと思っていたのですが、社会の歯車として働くようになってから読むと、むしろ主人公の世渡りの下手さに悲哀すら感じます。もしかすると、この小説は、漱石から世の若者への「真面目に生きるな」というメッセージなのかもしれません。

ゾッ帝文法に変換してみよう!

ゾッ帝文法について詳しく知りたい方は、順文学作品「ゾット帝国」へのいざないの先行研究の項目をご覧ください。

まずは、主人公を坊っちゃんからカイトに交代させます。

そして、語彙力を低くします。

ちょうどカイトは「後先考えずに行動する」クセがあるので、「無鉄砲」や「無暗」の辺りはそのように変換しておきます。

次に、親に関する部分を切ります。(ゾッ帝カイト編では、親の存在は示されているものの、登場しない。)後半の父の台詞は、ネロが言ったことにしましょう。

小学校はゾッ帝世界にないので、総合学校に変換。小使(用務員)も世界観に合わないので削除。代わりにミサが背負ったことにします。

それから言葉遣いを現代風にしてみます。

語彙力低減+現代風の言葉遣い+親を削除+ネロを追加+小学校を総合学校に+用務員も削除

後先考えずに行動するから、子どもの時からいいことがない。総合学校の時、学校の二階から飛び降りて一週間くらい腰を痛めた。なぜ後先考えずに行動したと聞く人がいるかも知れない。特に深い理由じゃない。新築の二階から外を見ていたら、同級生の一人が冗談に、「いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来ないだろ。弱虫やーい」と囃したからである。ミサに背負われて帰って来た時、ネロが眼を大きくして「二階ぐらいから飛び降りて腰を痛める奴があるか」と言ったから、「次は痛めずに飛んで見せる」と答えた。

うーん……まだ漱石感が残っていますね。

次は、もっと主語を入れてみます。それから、文を分割して動作をいちいち説明してみます。また、同じフレーズを繰り返して使用してみましょう。

前回+主語を増やす+文を分割+フレーズの繰り返し

オレは後先考えずに行動するから、子どもの時からいいことがない。オレは総合学校の時、新築の学校の二階から飛び降りて一週間くらい腰を痛めた。オレに、なぜ後先考えずに行動した、と聞く人がいるかも知れない。特に深い理由じゃない。オレは新築の学校の二階から外を見ていた。同級生の一人が近づいてきて冗談を言った。「いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来ないだろ。弱虫やーい」と囃したのだ。ミサに背負われて帰って来た時、ネロが眼を大きくして「二階ぐらいから飛び降りて腰を痛める奴があるか」と言ったから、オレは「次は痛めずに飛んで見せる」と答えた。

少しずつ、ゾッ帝に近付いているように思います。 

今度は、「オレに~深い理由じゃない」も消してみましょう。それから、同級生の容姿と台詞を、光秀編のならず者っぽくしてみます。また、ネロの動作と台詞も本編から借りてきます。

前回+いろいろ文を削除+同級生の容姿と台詞改変+ネロの部分を改変+α

オレは後先考えずに行動するから、子どもの時からいいことがない。オレは総合学校の時、新築の学校の二階から飛び降りて一週間くらい腰を痛めた。

その日、オレは新築の学校の二階から外を見ていた。ガラの悪い同級生が近づいてきて、鼻で笑う。

「いくらなんでも、そこから飛び降りる事はできないよなぁ?弱虫め!」

ミサに背負われて帰って来たオレを見たネロは、瞼を閉じて、肩を竦めて首を横に振った。

「なんで後先考えずに行動したんだ? いつか大切なモノを失くすぞ」

オレはネロに親指を突き出した。

「分かってる。次は腰を痛めずに飛んで見せるさ」

 どうですか? 正直、ゾッ帝感はまだまだ足りませんが、なんかSyamuさんが書いたっぽい文章になったのではないでしょうか。ジェネリック無職的な。

まあ、1ヶ月半以上考察を続けた人間にも、簡単に真似できない文章ということは、ゾット帝国が類稀なる才能によって生み出された、世紀の怪作だということが証明されましたね。

何がなろう一やお前……日本一や!

坊っちゃん (新潮文庫)

坊っちゃん (新潮文庫)

 

 ゾッ帝文法チャレンジ、流行らせコラ!